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「肢体不自由児・者の美術展」出展者達の横顔

鹿児島県立鹿児島養護学校

夏休み中だというのに、生徒達の元気な声が響いている教室がありました。鹿児島県立鹿児島養護学校の一室。小学生から高校生までの9名が、今年の「肢体不自由児・者の美術展」に出展する作品制作に取り組んでいました。この学校は絵画の部において毎年多くの受賞者を生んでいて、第21回の美術展でNTTデータ ジェトロニクス国際賞に選ばれた高下大地郎さんの出身校です。

夏休みの作品制作を指導しているのは、美術担当の吉村哲哉先生と徳田景先生です。毎年希望者を募り、夏休みの4日間を利用して作品制作を行っています。題材は自由。今年も生徒たちは、将来の夢、遊びに行った思い出、車椅子の練習風景など、思い思いの作品を描いていました。

夏休み絵画制作会 イメージ

取材をしていてまず驚いたのは、生徒たちの集中力。午前9時から午後3時までと、比較的長い時間にも関わらず、生徒たちは黙々と作品制作に取り組んでいました。また、お邪魔した日は制作開始から3日目でしたが、すでに複数枚の作品を仕上げている生徒が多い事にも驚かされました。

作品制作 イメージ1
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「体全体に強い緊張を持っている生徒もおり、見た目より疲れやすいのです」と吉村先生。長時間座っていることが困難で、時々先生に手伝ってもらいながらマットの上でストレッチをする生徒の姿も見られました。
また、筆を持つと腕が震えて思うように塗れないので、指を使っている女子生徒の姿もありました。試行錯誤を重ねながら、自分で思いついた『技法』なのだそうです。最初は指先だけで、徐々に指全体を使って、時には大胆に、時には細かく色を重ねていました。

作品制作 イメージ4
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「先生、この鉄の部分の光沢はどうやって出せばいいのでしょうか」
F1のレーシングカーを描いていた男子生徒から、いきなり高度な質問です。吉村先生は写真を見せながら、この色は何色と何色を使えば出せると思うか、などと生徒自身に考える時間を与えながらも、的確な指導をします。
「美術の授業の延長ですから。高いレベルを求める生徒には、描く対象物の光沢や質感も大切にしてもらいたいです。すぐに教えるのではなく、まずは生徒に描かせてからアドバイスを。美術を通じて自立心を育てるように指導しています」
と話す吉村先生。生徒からは「てっちゃん」と親しみを込めて呼ばれることもあります。ちなみに徳田先生は「とくちゃん」。教室内で「てっちゃん」と「とくちゃん」は引っ張りだこになっていました。

作品制作 イメージ7
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毎年多くの美術展で受賞者を生むこの学校では、全校朝礼で受賞者を発表しています。表彰されることが嬉しくて続ける生徒だけでなく、新たに挑戦する生徒も出てくるそうです。そして、何年も挑戦するうちにどんどん絵の実力を伸ばしていく生徒も少なくないようで、そのことが嬉しいと先生達は言われます。「みんながんばって描いていますから、私達にとっては、みんなが受賞者ですよ」。

さて余談ですが、この「夏休み絵画制作会」は『異学年交流』になっているとか。4年連続で参加しているという小学部のある男子児童は、「絵を描くのは好きじゃないけど、ここに来るのが楽しいから来ている」と。確かに、小学生から高校生まで、とても仲が良い!この場を通じて友達になった生徒もいるそうです。しかし、このコメントには徳田先生ちょっと苦笑い。それでも、「楽しいのが一番!楽しんで描いていれば、絵を描くのが段々好きになるはず」と満足のご様子でした。

異学年交流 イメージ

鹿児島県立鹿児島養護学校について

所在地:
鹿児島県鹿児島市吉野町2300番地
校長:
寺園典人 先生

昭和40年に県立整肢園内の鹿児島市立玉江小学校分光・伊敷中学校分校を廃止し、県立養護学校及び県立養護学校伊敷分校として設立。小学部・中学部・高等部・訪問教育を備えている。人間尊重の精神に立って、障がいのある児童生徒一人一人のニーズを把握して必要な教育的支援を行うことを教育目標に掲げ、自立し社会参加するために必要な資質を身につけるよう指導している。
校訓は「明るく 強く たくましく」

詳しくは鹿児島養護学校のホームページをご覧下さい。

鹿児島県立鹿児島養護学校 校舎イメージ
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